空飛び猫の戯れ言

お菓子作り、メンタル闘病記、お気に入り動画など。空飛び猫の、ありのままの日記です。

未来を変える、過去のために。

今日、小さい頃本当によく一緒に過ごし、一緒に遊んだいとこの男の子と女の子との思い出の場所に行った。
偶然今日2人ともそこにいいた。ご両親(私の叔父、叔母)と。
あの頃と違うのは、2人とも素晴らしいパートナーを見つけ、かわいい赤ちゃんをもうけたこと。
女の子の方は1歳の女児。男の子の方もやはり女児で、まだ1歳にもなっていない。

帰り道。
私はやっぱり、沈んでしまった。
子供を一生持てなくなってしまった自分の運命を呪った。
私の知らない、いとこたちのいろんな顔。
恋人時代に見せた顔、夫婦二人きりのときだけに見せる顔。
たくさん笑ったり、じゃれ合ったり、けんかしたり、素でいられたり。
私は今のいとこ達の、そんな顔を知らない。
頭の中を巡るのは、たくさんの思い出達。
一緒にいかだを作って、小川に流したこと。
縄跳びのわっかはUFOに変わり、3人でぐるぐる回ってげらげら笑った。
雪の坂を滑り降りて、3人でびしょぬれになったズボンを脱がされてパンツいっちょになってお尻をストーブに突き出して。なんだかやたらとおかしくてみんなで笑った。
3人で思いついた大冒険。大人と車でしか行ったことのない場所に、3人だけでi行ってみる!案外簡単にたどり着き、夕暮れになった帰り道。向こうから叔母の車が来たので意気揚々と手を振ると、助手席の祖母の第一声、「もう帰ってこなくていい!!」。運転席の叔母の疲れ切った表情で、どんなに心配をかけてしまったかやっと悟った。
ほんの出来心で、男の子のいとこと女の子のいとこが外に出ている隙にこっそり押入れに隠れた。
女の子は号泣、叔母はカンカン。
そこでいとこの男の子が一言、「だってしょうがないじゃん僕達誘拐されてたんだもん」。
叔母が噴き出した。いとこの女の子も思わず笑った。それで私は、「ああこの男の子は、こうやって人を笑わせて世渡りしてきたんだなあ、していくんだなあ」と思ったっけ。

2人は本当に立派に成長した。
でも。沈んだ気持ちの中で、こう思い直した。
いとこ達のパートナーが知っているのは、今のいとこの顔。私の知らない、たくさんの顔。
私は子供の頃のいとこ達の顔を知っている。
いつか、いとこ達のパートナーにいとこ達の子供の頃の顔を話したい。もしかしたらもうきっと、いとこ達本人すら忘れてしまった思い出。最後の一人の私が忘れたら、なかったことになってしまうのかもしれない確かにあったあの時。
愛する人の子供の頃の顔。それってきっと知りたいことだと思うから。
そうして、ずっとずっといとこ夫婦達は幸せでいる。

私は子供時代のある時期から、おかしくなりはじめた。いとこ達と集まる時、自分がここにいてはいけないと思う。自分がいるからみんなが楽しめないんだ。自分がここにいることが申し訳ない。自分さえいなければ。
そう思うから、楽しめない。結果周りは私に気を使い、自分の思ったとおりの結果を引き起こしてしまう。
すべてわかっていた。でも、どんなに大人に注意されても、怒られても、嫌味を言われても、やめられなかった。何も言葉にできなかった。それを「強迫観念」と呼ぶことさえ知らなかった。子供だったから。

いつか大人になった私達が子供の頃の話で笑い合える日が来たら。
そうしたら、もしかしたら、あの3人の日々が、無駄ではなかったのかもしれない。子供の頃の孤独な私が、やっと笑ってくれるのかもしれない。