悲しい。
たくさんのものを失ってしまった。
そしてそれは、きっともう元には戻らない。
自分がどうしようもない、誰よりも役立たずな人間に思える、そんな夜。
昔を思い出すたびに、泣き出したいような気持ちになるけれど、涙も出てくれない。
持ってるときは当たり前だと思ってた。
それを失うことがあるなんて思いもしなかった。
何をしてもいいけど、逃げたらいけない。
父がそう言ってた。
私のこの先にどんな希望があるというのだろう?
どこへも逃げられない。
私が私でいる限り、どこへ逃げても同じだから。
きっと疲れたんだ。
寝よう。寝ている間だけは、自由になれるから。