空飛び猫の戯れ言

お菓子作り、メンタル闘病記、お気に入り動画など。空飛び猫の、ありのままの日記です。

月にしびれた。

昨日の夜は、知久さんのライブに高円寺の洗濯船というライブハウスに行って参りました。

いつもながら、狭すぎる店にこれ以上ないくらいお客さんを詰め込むスタイル。ぎゅうぎゅう。そのなかで知久さんが歌う。いちばん側の人はたぶん10cmも離れてない。
来ているお客さんは、みんな「ぽい」というか、とにかく色が同じ。服装とかですね。圧倒的に女性が多い。

みんなで協力しながらなんとか座り、空間におさまり、知久さんが入口から入ってきた。知久さん!もう抱きつきたかった。私よくライブに通っていた頃から、あれからたくさん人生の冒険をして、またここへ帰ってきたんですよ。会いたかった。

ライブが始まる。すごい。すごいなんてもんじゃない!
しびれる。なにがすごいのかうまく言葉では説明できないけど、心はこう言ってる、「こいつ半端じゃない」。
今回私の号泣スイッチが入ってしまったのは、何も持っていない、しかもそのことすらわからない男の子が、なんでも君にあげるから、窓に移った景色もあのおじさんが連れている犬も、なんでも君にあげるから、お願いだから聞かせて、君の好きな食べ物はなあに?っていうことを歌った曲。(曲名わかりませんでした・・・。)
知久さんは、頭が弱くて貧しい少年以上に純粋な人間はこの世にいないと感じておられるみたいです。すごく共感する。さくらももこの「いさお君」ですよね。私達誰もが持てない、決して汚せない美しさ。
途中のお話で出てくる共演相手がビッグネームすぎる。さくらももことか、しりあがり寿とか。さくらももこさんとはちびまる子ちゃんのエンディングテーマで(「あっけにとられたときのうた」)、しりあがり寿さんとは明日(つまり今日)ライブでお仕事なさるそうです。たぶん吉田戦車さんとも繋がりあるんじゃないかな。「満月の丸バナナ」(丸バナナは「伝染るんです。」に出てくる)っていう曲があります。それに「かわいい流れ蛸」っていう曲は作詞が吉田戦車、作曲が知久さんですね。

今年最初のライブ、最後の締めが「らんちう」。もうこれは、いつ聞いても名曲中の名曲。日本の音楽史に残る曲だと思います。
かっこいい。こう・・・私達の日本人の遺伝子に訴えかけてくる。

途中いったん休憩が入り、知久さんは外に出られたのですが、お客さんが「知久さん、再開いつですか?」と知久さんに話しているのを聞いて「再開」を「サイン会」と聞き間違えた私。知久さんを外まで追っていき、ご本人に「サイン会とはなんですか?」と聞いてしまった。勘違い発覚、平謝り。結局サイン(本年一発目)を書いて頂けました。握手までしてもらった!ほんとは握手の方がよかったからうれしかった。あの、楽器を奏でる手に直に触りたいものじゃないですか。
知久さんのライブではお客さんと知久さんが直にお話しできます。たまには楽器を持たせてもらう(置く場所がないから)ことさえ。
それで昨日は、ライブの時の服装とか、原発についての投票とか、そういう話をさせて頂きました。知久さんってとても頭のいい方ですね。ツノゼミ(知久さんの大好きな虫)について論文を書かれて、その発見の第一人者かなにかなんだったと思います。それに実は、かなり整った顔立ちをされています。ちょっとぎょっとしちゃうくらい。あとしぐさがいちいちかわいい。そでを引っ張って伸ばすときとか・・・無意識だと思いますが。

知久さんは相変わらずやりたい放題でした。何にも縛られない。
らんちうをひく時は、弦を1本だけものすごくゆるめて低音を出していた。ミニミニウクレレのようなサイズの楽器があって、もう知久さんが抱え込むようにしないと弾けない。それ知久さんが発案で作ったんだそうです。ちゃんと音が出る。赤ちゃんを抱くように弾いておられました。
知久さんのライブって泣いちゃってる人がすごく多いんですが、私の感じた勘だと、知久さんってたぶん霊感があるんだと思う。ヒーリング能力。だからそういうのをキャッチできる人はみんな泣いちゃうんです。もちろん曲がいいっていうのもあるけど。
知久さんの曲の中にはものすごくよく「月」というフレーズが登場する。わかります。月って、いい。太陽は強くて、王様で確かに素晴らしいけど、太陽の下では生きられない生き物もいる。彼らをそっと包み込み、寄り添う月の美しさ、はかなさ、静けさ、優しさ。お母さんのよう。

知久寿焼、まさに鬼才。勢い衰えず!
このまま一緒に歳をとりましょう。そう言いたくなるようなライブでした。
ありがとう。