空飛び猫の戯れ言

お菓子作り、メンタル闘病記、お気に入り動画など。空飛び猫の、ありのままの日記です。

完成しないパズルのピース。

マイケル・ジャクソン死後の、あのある種の狂乱の中作成されたMTVのドキュメントの再放送を見ていました。

死因、健康状態、整形、結婚生活等々のひとつひとつの謎。結局、「パズルのピースが多すぎて真実には辿り着けなかった」との結び。本当にそうだと思います。身近に実際にマイケルに触れていた人であっても、同じ出来事に関して言うことがそれぞれ違いすぎる。

ただいつも変わらずに私が感じるのは、マイケル・ジャクソンという存在はどうしようもなく人々の関心を惹く存在であったということ。アーティストをやる上ではそれは最高の条件だったかもしれませんが、人間として暮らすのにはひどく辛い条件だったのかもしれません。
多くの出演者が語ることに一貫性がないなか、それでも一貫していたと思われるのはマイケルは良くも悪くも子供のような存在であったということ。ピュアで、騙されやすく、常識がなく、信じていい人といけない人の区別がつかない。
そして小児性愛については真相はわかりませんが、児童虐待に関しては限りなくシロだということです。

なぜマイケルは50歳で死んだのか。麻酔薬の中毒死など聞いたことがない、病院の外で使われるべき薬ではないからだとの意見がありました。
「普通なら」「常識では」というけれど、マイケルに限ってはそれは当てはまらない気がする。マイケルが病院に入院することなどそもそも可能だったのでしょうか・・・あれほどの注目を集めてしまう人が。マイケルは普通でないから、常識がないからスーパースターだったのだし、またマイケルが仮に普通を望んだとしても、それは手に入らなかっただろうと思います。

マイケルを殺したのはマイケルのおこぼれを狙って彼にたかった人々の欲だ、と言う人も。それもあるのでしょうが、マイケルの側にいた人達、近ければ近いほどある種運命共同体になる人達だけをのせいにするのは、どうもすっきりしない。
やはり死ぬ前と死んだあとでここまで評価が変わってしまったこと、まったく同じ人物が狂人から天使に「されてしまう」こと、ここがマイケルに与えたダメージが大変大きかったのではないかと思います。数人の敵なら戦えたかもしれないが、彼に対して一切の責任を持たない何億人、何十億人が作り出す世論には、マイケルがいくらイメージ戦略のプロであっても、どんな才能や財力を持ってしても勝てなかったのかもしれない。世論とは本当に恐ろしいものです。

マイケルは過労死したのだ、という意見がありました。私の考えもそれに近いです。肉体も精神も、極限を超えるまで使いきった。だから、死ぬ時期が来た、と。



真実はただひとつ存在する、それでも真相はきっと永久にわからない。それでも、曲が流れ、マイケルが踊り歌うと、ほかのすべてのことは消し飛んでしまいます。圧倒的パフォーマンス。
マイケルの歌声は、喜びや幸せや生命力で光り輝いているようです。Jackson5のCan You Feel Itを聞いているといつもそう思います。同じ曲なのに、マイケルが歌うと曲がまるで違う曲かのように生き生きと輝き始める。


マイケルが、死ぬときに世界を揺るがせるほどの存在であったことには間違いありません。彼にはきっと、与えられた役割があったのだと思います。