空飛び猫の戯れ言

お菓子作り、メンタル闘病記、お気に入り動画など。空飛び猫の、ありのままの日記です。

あの頃の私達。

あの頃同時期に同じ病棟にいた私達は
家族の待つ元の家に戻るものあり、勤めていた会社を辞めて故郷に帰るものあり、学校や社会に巣立つものあり、天国に行ってしまうものあり、
なんにしろ、
解散した。

一体どういうわけだ?
今になって、あの頃が懐かしいなんて。



私達は、症状の辛さ、看護師からのプレッシャー、金銭や持ち物、自由や余裕、愛の不足。ぎりっぎりのなかで、いっしょに集って、いっしょに過ごし、いっしょに戦った、かけがえのない仲間だったのだ。

意識を失いたいほど苦しくて、またあそこに戻ることを想像するだけで寒気がするほどなのに、
私はあそこに最初に車で運ばれた時、流刑になった犯罪者のような気持だったのに。

あの場所を腹の底から嫌悪してる、同時に、あの場所を心から愛してる。
息子さんを待ち続けるおばあさんと、10代の少女が同じベッドに腰掛けて笑顔で話していた。
5cmしか開かない窓から目を薄めて外を見て、「ここはラピュタなんだ」と空想して遊んだ。
じっとしていられない友達と真剣に話すうち、私まで付き合って2時間廊下を繰り返し往復し続けた。
大声で怒鳴り合って、大声で泣いた。
あの場所は人が魂と魂で触れ合える、ほんとうの修行場だったんだ。



だいきらい、でも、だいすき。
きっとこの気持ちは、この先も一生変わらないんだろう。