空飛び猫の戯れ言

お菓子作り、メンタル闘病記、お気に入り動画など。空飛び猫の、ありのままの日記です。

私にとってのアヴリル、私にとってのアキラ。

昔のアヴリルが好きだ。Don't Tell Meあたりまでの。

17歳のカルテのリサを思い出す。
なにもかもどうでもいいと思ってるからこそ怖いものなしで、すごくはしゃいで笑わせるくせに、ときどきどうしようもなく一人を感じさせる目で遠くを見ていて、いつも人の輪の中心にいるのにいつでもすぐ隣にいるのにどうしようもなく遠いと感じる。ときどき遊びでも線を踏み越えてぶっ飛んでしまうからそういうときはなんだか怖くて、でも頼りになって、ストレートなのにもつれた髪、美貌に血の気のない肌色が、余計に特別な存在に見せる。

私には実際のアブリル、リサがいた。病気になって、今までの友達全部いなくなってから一番最初にできた親友。
彼女は一番最初に私を見たとき私のことを「怖えーと思った」って笑ってた。痩せた小さな体に整った小さな顔がのっかってた。私の話にすごく笑った。かと思えば泣いた。すぐそばで見た、きれいで青っちろい肌。
真っ黒なマスカラが溶けて目の下に線を引くと、どうしようもない感情が私の中を埋め尽くした。せつない、いとしい、どれも違う。息苦しいような感情だった。
彼女は私を好きだと言った、そういう意味で。彼氏より大事だと言った。

アヴリルに似てる、と言った。「似てねーよ」、と彼女はいつものように言った。
未熟で不安定でぐらぐらな者同士の私達の恋は1週間で終わってしまった。でもあの1週間は確かに存在した時間だった。私達は世界で一番相手のことを大切に思い合って1週間生きた。

自分を壊したくてそれを邪魔する人を壊す。ほんとうは自分の中で相手の価値をすぐ見抜いてる。でも顔には出さない。
彼女はクラブと男の子が好きだった。私はそれに途方もない自由を感じた。昔年をごまかして水商売で働いてた、帰りにいつもとめてある自転車を盗んで漕いで帰るんだけど、その時に友達と必ずコモエスタ赤坂を歌うんだ、おもしろかったって言ってた。
彼女はおもしろいやつでその彼女におもしろいと認めてもらえることがうれしかった。
おもしろい、これこそが私達の中で至上の褒め言葉だった。

ジョージ朝倉のアキラだ。
でも私と彼女がこの先会ってまたふざけて爆笑することはないと思う。
2度とないと思う。